
当院は「愛をもって病める人を癒されたキリストにならい、国籍、信仰、貧富を問わず、心の通う医療を提供して病める人々の身体的、精神的、社会的、霊的ニーズをみたす」を基本理念に掲げております。1931年12月21日に国際聖母病院として開院以来、地域における内科系・外科系の急性期医療および母子医療を担ってまいりました。特にこの5年間は、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックに翻弄されながらも、診療活動を広げました。具体的には、緩和ケア・訪問診療・リハビリテーション・摂食嚥下ケア・褥瘡ケア、そして大腸がんに対する腹腔鏡手術、人工膝関節や人工股関節手術の充実を図りました。また、母子医療では無痛分娩(24時間365日提供)や産後ケア・メンタルヘルスケア体制を整えました。
本年度は、特に医療連携・救急医療・災害対策に注力します。「医療連携」ではクリニックだけでなく急性期基幹病院との連携を深め、一人でも多くの方に療養いただける医療環境を整備します。「救急医療」ではこれまで以上に円滑な応需体制を構築します。そして、「災害対策」では地域の方に安心いただけるよう行政等と連携して災害時の医療提供体制を整えます。
開院以来、地域の方々に支えられてまいりました。これからも受診される方とご家族、医療機関、そして職員の声を大切にし、「地域から信頼され愛される病院」を目指して努力を重ねます。どうぞよろしくお願いいたします。
2025年4月 病院長 宮越 敬

皆様ご存じの通り、日本は現在出生率の低下に伴う人口減少に加え、国民の5人に1人が後期高齢者(75歳以上)という超高齢化社会を迎えつつあります。高齢者は複数の疾患を持っていることが多く、また加齢に伴う認知機能の低下や、社会的にも様々な問題を抱えていることがあります。最新の治療ガイドラインなどを参考にしつつも、個々の患者様の状況に即した、より安全で体への負担の少ない医療、地域や生活に根差した医療、より個別的で現実的な医療を提供することが求められます。高齢化の実態に合わせた医療を提供するためには、医師のみならず、看護師・薬剤師・医療ソーシャルワーカー・リハビリ担当者等多職種によるチーム医療がより重要になります。当院でも訪問診療や緩和ケア、摂食嚥下、褥瘡管理などでチーム医療に取り組んでおりますが、今後も多職種での患者支援に注力いたします。また地域のクリニック、介護施設や老人ホームなどの高齢者施設、さらに地域の急性期基幹病院とも連携をとりながら、患者様一人一人に適切で包括的な医療を提供できるよう職員一同努力してまいります。
皆様のご協力とご支援を宜しくお願い申し上げます。
2025年4月 副院長 宮本大介

地域の皆様には、常日頃より聖母病院をご支援いただき感謝申し上げます。
聖母病院は、日頃の健康相談や体調が悪い時にまず相談する「かかりつけ医」としての側面がある一方、地域の「かかりつけ医」の先生からの紹介で専門性の高い診療を行うという役割もあります。そのような専門性の高い診療を維持するために、絶えず診療部門のアップデートを続けております。外科では、近年、体の負担の少ない腹腔鏡手術を積極的に導入してきました。2024年度は検診部門においてMRIを用いたDWIBSによるがん検診を導入し、1回の検査で放射線被曝を伴わず全身のがんのリスクを調べることができるようになりました。また、昨今医療分野においてもAI(人工知能)が話題となっておりますが、2025年度は胃カメラの検査でのAI画像診断の導入が決定しております。「内視鏡医の眼」と「AIの眼」の両方を合わせて胃カメラを行うことで胃癌の診断精度の向上が期待されており、より確実に病気の発見ができる環境を整えつつあります。
聖母病院の基本方針の一つに「最善の医療を提供する」があります。これからも地域医療の担い手として、地域住民の方々に最善の医療を提供する体制を整えてまいりますので、引き続きご支援のほどよろしくお願いいたします。
2025年4月 副院長 田中敏明