乳腺外科

乳腺疾患診断に関する最新診断機器を揃え、1名の常勤乳腺専門医と3名の非常勤乳腺外科医で乳腺専門外来および健診部での乳がん検診を行っています。
また、日本乳癌学会および日本乳癌検診学会の推奨する乳がん検診の「精密検査実施機関基準」を満たしています。

乳癌検診の「精密検査実施機関基準」(抜粋)は、

  1. 日本乳癌学会の乳腺専門医が常勤すること
  2. 細胞診、針生検、外科的生検が可能であること
  3. 十分な精度の精検用乳房X線撮影と読影ができること
  4. 乳房超音波検査に習熟した医師・臨床検査技師・診療放射線技師が検査を行い、超音波検査に習熟した医師が診断すること

乳腺外科外来では、乳癌や乳腺炎の治療、および乳がん検診で要精密検査と判定された方、自覚症状として乳房にしこりのある方、乳頭から母乳以外の分泌物のある方の精密検査を行っています。
軽度の乳房痛や違和感のある方、あるいは症状はないが乳がんが心配な方は健診部で乳がん検診(マンモグラフィーとエコー検査の併用検診を推奨します)をお申し込みください。健診部の乳がん検診はすべて乳腺外科医が担当し、精度の高い診断を行っています。

健診部:TEL.03-3951-1129(直通)

診療内容・特色

乳がんの診断・治療

デジタルマンモグラフィ、超音波(エラストグラフィ)、MRI、マンモトーム、針生検、細胞診を駆使し、乳腺疾患すべての診断、手術、薬物療法までの治療を責任もって診療します。放射線治療は近隣病院の放射線科と連携し、迅速な治療ができるように体制作りを行っています。

乳房温存術

乳房温存術は、病変を残さないように部分的に切除し、乳頭・乳輪と乳房の膨らみを残す手術です。腫瘍が比較的小さい場合には乳房温存術が可能です。 術中の切除断端の迅速病理診断は勿論のこと、必要十分で過不足ない病変の切除を行うための術式を考案し実施しています。 手術後は原則として放射線治療が必要になります。

センチネルリンパ節生検術

乳がんが転移しやすい腋窩のリンパ節に対しては、まずセンチネルリンパ節生検を行います。センチネルリンパ節生検術は、色素を使用し、術中迅速病理診断のもとで実施しています。センチネルリンパ節に転移が見られない場合は腋窩リンパ節の切除を省略するため、上肢の浮腫や腋窩の疼痛・違和感などの不快な症状が少なくなります。

乳房再建術

乳房温存手術ができない病変の場合、乳房再建を希望される方が増えています。乳房再建は長らく自由診療で行われていましたが、ほとんどの再建に保険が適応されるようになりました。
当院は乳房再建実施病院(一次再建一期)に認定されており、早期乳がんの方が再建を希望された場合は乳房切除と同時にティッシュエキスパンダーを挿入しています。 その後のインプラント挿入は連携しているブレストサージャリークリニックで行われます。再建を希望される方は主治医にご相談ください。

術前、術後の抗癌剤治療

第二注射室

術前、術後の抗癌剤治療は、ガイドラインによる標準治療を実践しています。抗癌剤治療は、薬剤の選択と同様、治療を継続していくことも非常に大切です。患者さんの年齢・体力やご希望にも十分に配慮して、安心して治療が継続できるよう、主治医と十分な話し合いの上で治療方針を決定していきます。
外来抗癌剤治療は、専用の注射室をご用意しています。余裕のある空間に、リクライニングシートや個別テレビを備えており、リラックスした雰囲気の中で治療を受けられます。

乳がん検診

乳がんは日本人女性の最もかかりやすいがんです。生涯で乳がんを経験する方は9人に1人といわれ、年々増加しています。
それに伴い、30歳代の若年者における乳がん発症も少しずつ増えています。自分でしこりに気付いた場合、半数以上(54.1%)の方のがんの大きさは2cmを超えています。一方、症状のないときに検診で発見できれば2/3(67.7%)のがんは2cm以下で、1cm以下で見つかることも稀ではありません。小さなしこりで発見できれば、乳房を温存できる確率や治癒の可能性は高まります。乳がんを予防することは難しいので、検診で早期のうちにがんを発見するのが理想です。

乳がんの発見にはマンモグラフィ、超音波検査が有効です。乳腺組織が多い方はマンモグラフィでのがんの検出率が下がると報告されています。乳腺は加齢とともに脂肪に置き換わっていきますので、乳腺の多い若い世代はしこりの発見に優れた超音波検査を中心に検査を行うとよいでしょう。また乳がんリスクの高い方には両方の検査を受けることをお勧めします。

※乳がんのリスクには、早い初潮、遅い閉経、未産婦、授乳経験無し、高齢初産(30歳以上)、血縁者の乳がん、閉経後肥満、喫煙、過量の飲酒、更年期のホルモン補充療法、経口避妊薬の長期使用などがあります。

当院での乳がん検診の受け方

自覚症状のある方

乳房のしこりや強い痛み、乳頭からの分泌物などの症状のある方、あるいは過去に他施設で病変を指摘された経験のある方は、乳腺外科外来を受診してください。可能な限りお待たせすることのないよう予約制を採用しておりますので、予約をとってご来院ください。

予約センター:TEL.03-6908-1717(直通)

新宿区乳がん検診

当院では区検診は健診部で行っています。75歳以上の方は5月1日から、40~74歳の方は6月1日から区検診(マンモグラフィと問診)が始まります。また、30~39歳の方に乳がん自己触診個別指導を行っています。新宿区から検診票が届きましたらご予約のうえ受診してください。
当院の問診は乳腺外科医が行い、マンモグラフィの読影はマンモグラフィ読影認定資格を持つ乳腺外科医と放射線科専門医がダブルチェックしています。

中野区乳がん検診

当院では中野区乳がん検診の視触診を行っています。予約方法は新宿区乳がん検診と同じです。マンモグラフィは中野区指定の施設を受診してください。

人間ドック

人間ドックは健診部で行っています。自覚症状のない方や乳房以外も含めてチェックしたい方は人間ドックをお勧めします。予約方法は上記区検診と同じです。

新宿区乳がん検診、中野区乳がん検診、人間ドックの予約はすべてお電話にて承っております。

受付時間 月~金曜日 8:30~16:00
土曜日(第3土曜日は休診) 8:30~12:00
直通電話 03-3951-1129

健診部のページはこちらから

スタッフ紹介

氏名 役職 資格
菊山 みずほ 医長 日本乳癌学会乳腺専門医、指導医
日本外科学会外科専門医・指導医
検診マンモグラフィ読影認定医
がん治療認定医
加藤 昌弘 非常勤 日本乳癌学会乳腺専門医
日本外科学会外科専門医
検診マンモグラフィ読影認定医
国際医療福祉大学三田病院乳腺センター副センター長
岩瀬 哲 非常勤 埼玉医科大学 緩和医療科教授
日本緩和医療学会暫定指導医
神野 浩光 非常勤 帝京大学医学部外科学講座教授
日本乳癌学会専門医・指導医
日本外科学会専門医・指導医
検診マンモグラフィ読影認定医

外来担当表


(第3土は休診)
午前診療 加藤 昌弘 菊山 みずほ
(リンパ浮腫)
菊山 みずほ 菊山 みずほ 菊山 みずほ
午後診療 加藤 昌弘 神野 浩光
岩瀬 哲

※乳腺外科は全て予約制です

予約受付

受付時間 月~金曜日 8:30~16:00
土曜日(第3土曜日は休診) 8:30~12:00
直通電話 予約センター 03-6908-1717

文献

甲斐崎 祥一,加藤 昌弘,佐貫 潤一,北山 丈二
日本臨床70 増刊号7 乳癌:524-527,2012
乳癌の治療戦略 外科治療 縫合糸を用いた乳腺切離線マーキング法

佐貫 潤一,片山 信二,角田 ゆう子,加藤 昌弘,甲斐崎 祥一,北山 丈二
手術 65(12):1815-1819,2011
3次元留置マーカーを使用した乳房部分切除術

加藤 昌弘,北山 丈二,山口 博紀,佐貫 潤一,甲斐崎 祥一,名川 弘一
癌と化学療法_37(5):903-906,2010
S-1とAromatase Inhibitorが有効であった再発乳癌の3症例

佐貫 潤一,甲斐崎 祥一,加藤 昌弘,北山 丈二,名川 弘一
手術 63(10):1457-1462,2009
傍乳輪切開と欠損部充填法による乳房温存術

佐貫 潤一,内田 惠博,渡邉 純一郎,辰巳 賢一,寺元 章吉
外科 70(4):433-439,2008
生殖補助医療の進歩に伴う乳癌患者の妊孕能温存法

甲斐崎 祥一,佐貫 潤一,内田 惠博,木村 聖美,吉川 善子,名川 弘一
日本臨床外科学会雑誌 68(2):297-301,2007
腋窩腫瘤を初発症状とした潜在性乳癌の2例

診療時間

【午前】受付時間 8:00~11:00 × × 予約制
【午後】受付時間 12:30~14:00 × × × × × 予約制

診療時間(○:第3土曜日は休診です)

Last updated 2024.11.14

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