聖母病院の内視鏡室では、消化器科を専門とする医師(内科医、外科医、非常勤含む)が検査を担当しています。
午前中は上部消化管内視鏡検査(以下上部、いわゆる胃カメラ)を、午後は下部消化管内視鏡検査(以下下部、大腸カメラ)を行っております。
外来を受診された方、入院されている方、健康診断や人間ドックを受診された方の検査を行っています。
年間の検査総数は、上部・下部を合わせて3000件以上になります。
年間検査件数
令和3年度 | 令和2年度 | 令和元年度 | |
---|---|---|---|
上部消化管内視鏡 | 2634 | 2362 | 2603 |
下部消化管内視鏡 | 632 | 574 | 815 |
合計 | 3279 | 2945 | 3436 |
内視鏡検査のスタッフ
内視鏡検査を担当する医師は、内科・外科の診療と兼務しておりますので、検査と診療がスムースに移行できます。
内視鏡技師の資格を有する看護師を配属し、専門的な医療及び看護を提供することと共に、安心・安全な検査が受けられるように配慮しています。
予約
内視鏡検査は、全て予約制です。
はじめに内科または外科の外来診察をお受けください。診察時に予約をお取りします。
他院からの紹介状、検査所見用紙、健康診断や人間ドックの結果票などをお持ちの方は、外来受診時にご持参ください。
検査内容
上部消化管内視鏡検査(経鼻内視鏡含む)
下部消化管内視鏡検査
内視鏡的逆行性胆道膵管造影検査(ERCP)
内視鏡的胆管結石除去術
内視鏡的ポリープ切除術(EMR)
内視鏡的粘膜下層切開剥離術(ESD)
内視鏡的胃瘻造設術(PEG)、胃瘻カテーテルの交換
など
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)
上部消化管内視鏡検査は、口(もしくは鼻)から食道~胃~十二指腸まで内視鏡を挿入し、各臓器を観察して診断します。
経口の胃カメラは、オリンパス社製の高画質タイプの電子スコープを使用しています。
病変が確認されたり、疑われたりした時は、生検にて組織を採取して病理検査で精密検査をすることがあります。狭帯域光画像強調(NBI)観察や色素散布による観察を行うこともあります。
経鼻内視鏡検査
鼻の孔から挿入する経鼻スコープ(外径5.4㎜)も使用しています。
経鼻スコープは、径が細いことと舌根への刺激が少ないので嘔吐反射が出づらく、検査の苦痛が少ないと言われています。
経口スコープに比べて検査時間が少し長くなること、鼻出血の可能性があることなどが難点として挙げられます。
麻酔下内視鏡検査
鎮静剤を用いた全身静脈麻酔下で検査を受けることもできます。
麻酔の効き具合に個人差はありますが、多くの方で苦痛が少なく受けていただけます。
静脈麻酔下では、安全性を考慮して血圧や呼吸状態を監視しながら検査を行っています。
検査が終わっても麻酔薬の効果が残りますので、30分~1時間休憩が必要です。当日は、自動車や自転車の運転は控えてください。
下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)
下部消化管内視鏡検査は、肛門から内視鏡を挿入し、直腸~結腸~盲腸まで内視鏡を進め、各臓器を観察して診断します。
検査時間は平均で30分程度ですが、スコープの挿入具合や処置の追加などにより時間がかかることもあります。挿入時に腹部の不快感や痛みを生じることも時にありますが、状況に応じて鎮痛剤を使用するなど緩和を図ります。
検査時に、小さな大腸ポリープ(おおよそ1㎝以下)であれば切除することも可能です。1㎝以上のポリープなどは入院治療になることもあります。
下部内視鏡検査の手順
- 朝8時50分までに来院し、受付後内視鏡検査室までお越しください。
- 午前中かけて主に腸管洗腸剤の服用で前処置をします。
- 前処置の具合により追加の処置(便意をもよおす坐剤、浣腸など)を行うことがあります。
- 午後から順番に検査します(順番は前後することがあります)。
- 検査終了後は、注意事項などの説明を聞いてからお帰りください。
検査終了まで長時間になるため、リラックスしていただけるよう、広く清潔な前処置室をご用意しております。
麻酔下内視鏡検査
鎮静剤を用いた全身静脈麻酔下で検査を受けることもできます。
麻酔の効き具合に個人差はありますが、多くの方で苦痛が少なく受けていただけます。
静脈麻酔下では、安全性を考慮して血圧や呼吸状態を監視しながら検査を行っています。
検査が終わっても麻酔薬の効果が残りますので、30分~1時間休憩が必要です。当日は、自動車や自転車の運転は控えてください。
内視鏡検査の安全性について
内視鏡機器は、日本消化器内視鏡学会のガイドラインに基づいて検査ごとに専用洗浄機にて洗浄しています。
各処置具は、1回使用のディスポザブル製品を使用しています。受診の方には検査前に、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、梅毒検査を受けていただいています。
これらを徹底することで、内視鏡機器を介する感染症の可能性は極めて低く、安全な検査を受けていただけます。
内視鏡検査は、必ずしも楽な検査ではありません。できるなら敬遠したい検査ではありますが、胃や大腸などの消化器疾患の診断には大変有用な検査です。
検査を受ける方が、なるべく楽に、そして安心して検査が受けられるようスタッフ一同常に心がけ、一人でも多くの方の健康管理のお役に立ちたいと願っています。